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ボクが選んだボクの人生~22 いよいよ、かな?~ [小説「ボクが選んだボクの人生」]

 出産の準備をしながら過ごす彼女の鼻歌のレパートリーに、
クリスマスソングがずいぶんと増えてきた。きっと、もう12月に入っているのだろう。
FMから流れる曲もビートルズのChristmas Time Is Here Againだったりする。
音楽に耳を傾けながら、ボクも心地よく・・・・と言いたいところだが、
オナカの中は窮屈きわまりなくなってきて、とても音楽どころではなかった。
数日前までは「出してくれ!」の意味合いを込めてオナカを蹴ったりしていたが、
ここ2,3日はそんな元気さえもなくなってきていた。

 ある朝のこと。彼女はベランダで楽しそうに洗濯物を干していた。
いつもならボクもつられて楽しくなるところなのだが、
あまりの窮屈さに息を止めてじっと耐えていた。
しばらくすると、彼女が手を止めて座り込んでしまった。
「何か、ちょっと変・・。」とつぶやきながら、オナカをさすっているようである。
いよいよ来たのだろうか。ボクがこの世に生まれ出る、運命の時が。
痛みが少し治まったのを見計らって、落ち着いて彼に連絡している彼女を、
ボクはあらためて頼もしいと感じた。
でも、あんまりゆっくりしている時間はないと思うよ。慌てず急いで病院へ!


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