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ボクが選んだボクの人生~17 何かの間違いだよね~ [小説「ボクが選んだボクの人生」]

 赤ちゃんを産む、と宣言してからの彼女は、ふっきれたように明るく前向きになった。
どっちつかずの状態から脱して進むべき道がクリアになった上に、
つわりの時期が過ぎて心身共に楽になったからだろう。
お天気さえ良ければ町に出かけ、映画を観たり買い物したり。
彼の状況がどう変わろうと、自分がしっかりしていれば何とかなる。
そのためには、元気でいなくっちゃ。彼女はそう思っているようだった。

 そんなある日、彼女が検診のために病院を訪れた日のことだ。
いろいろと準備したいので、出来れば性別を教えて欲しいという彼女に、
超音波検査(エコー)の画像を見ながら、医者がこう言ったのだ。
「5ヶ月に入ったばかりだから、確実だとは言えないけど・・・。
どうやら女の子みたいだね。」と。

 女の子?ボクが・・・・・?そんなバカな。
係官の部屋で書類を書かされた時、ボクはちゃんと「男」に丸をつけたのに。
何かの間違いであって欲しい。まだこんなに小さなボクだけれど、
今さら「アタシ」に切り替えるのは容易なことではないのだ。
医者の「確実だとは言えないけど・・・。」という言葉だけが支えだった。
オナカの中で小さなボクが大きな悩みを抱えているとも知らずに、
彼女はその日からさっそく、赤やピンクの可愛いベビー服を買い揃え始めた。


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降龍十八章

そうそう、性別が気になっていたんです。
まさか、性同一障害の話にはなりませんよね。
by 降龍十八章 (2005-10-14 13:31) 

はなぽん

気にかけて下さって感謝です。
性同一障害に言及するとデリケートなテーマだけに
軽いノリでは済まなくなってしまうので、
私の実力では難しいかなー、です。
「ボク」は「ボク」なりに、この問題は乗り越える予定です♪
by はなぽん (2005-10-14 14:27) 

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