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ボクが選んだボクの人生~18 腹を括ったぞ~ [小説「ボクが選んだボクの人生」]

 あれからしばらくして、ボクは気づいた。
性別に関しては、自分で確認が出来るのではないか、と。
迂闊なことに、外の世界にばかり神経を集中していて、
こんな簡単なことに気づかなかった。灯台もと暗し、だ。
音に関しては驚くほどよく聞こえるのだが、
目で見てもしっかりとは証拠を捉えられない。
残る方法はただ一つ。思い切って触ってみることである。
男の子の象徴が、ボクについているかどうか。
躊躇しても仕方がないので勢いで触ってみた。

 なかった。何処にもなかった。何処にも、といっても
意外な場所に発見されてはもっと困ることになるけれど。
えーい、ままよ。それならば、それでいい。
ボクは腹を括った。生まれることが出来るだけで奇蹟なのだ。
男でも女でも、元気よく生まれ出てやるさ。
母である彼女の潔さを受け継いだ、凛とした女性になってやろう。
出産を決意した時の彼女のように、ボクはふっきれて前向きになった。


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