天才モンちゃん今日も行く(第十話) [小説「天才モンちゃん今日も行く」]
バイクで往診に来てくれた川橋先生を見て、モンちゃんはほんのちょっとだけ驚いた。
ミヨさんの病気を治す先生だから、きっと年をとった立派な人だと思っていたのに、
まるで隣町にある大学の学生さんのように若い男の人だったのだ。
「遅くなってごめんね、犬走さん。最後の患者さんが長引いちゃって。」
とやさしい声で言いながら玄関で靴を脱ぐ先生に、
ミヨさんは「すみませんねぇ、若先生。」と小さな声で答える。
若い先生だからそう呼ばれるのだろうか、それともあの人の名前が「若」というのだろうか、
モンちゃんは小さな疑問に首を軽くかしげながら診察の様子を見ていた。
呼び名はどうあれ、血圧を測ったり脈をとったりしてミヨさんを調べてくれる先生を、
「もしも生まれ変わることがあるならば、次は先生のようなお医者様になろう。」と
憧れにも似た気持ちでモンちゃんがじっと見つめていると、
「おばあちゃんが心配なんだね。大丈夫だよ。名前、何て言うのかな。」と先生が尋ねてくれた。
自分で名乗りたい気持ちは山々だがかなわぬことなので「わん!」とだけいうと、
ミヨさんが「モンちゃん、っていうんですよ。」と代わりに答えてくれた。
「そうか。モンちゃん、よかったね。おばあちゃん、もうきっと大丈夫だよ。
ねえ、犬走さん。返事しなくていいから聞いててね。
一過性脳虚血発作っていって、本当に一時的にちょっとだけ血管がつまって、
気分が優れなくなって手足が動かなくなったみたいなんだ。
でも、もう収まってきてるみたいだから、新しいお薬を飲んでもらって様子をみようね。
もしも何かあったら、夜中でもいいから電話してね。」
先生はそう話して、電話番号をミヨさんの電話機の短縮ダイヤルに登録したあと、
「いいかい、モンちゃん。おばあちゃんに何かあったら、僕に電話するんだよ。」と言いながら
ちょっといたずらっぽく笑って帰っていった。
ー続くー
一件落着ですね。よかった。(^_^)
秋桜さんの今後のゆくえを狂わせるといけないので
話半分に聞いて欲しいのですが
私のコメントへの返しに
病気や事件が苦手と書いてありましたが
いっそのこと、ほのぼのだけで話をつくってみるのもいいのでは?
モンちゃんのキャラと、秋桜さんの腕があれば
モンちゃんシリーズは、ほのぼのでいけるのではないでしょうか。
話の過程にモンちゃんらしさがあれば、立派な物語だと思います。
無理に病気や事件を起こさなくてもいいと思います。
病気や事件のあるところにだけに
物語があるというわけではありませんから。
もっとも、病気や事件が起きたとき、モンちゃんがどうするのか
見てみたい気持ちもありますが。。。
by (2005-10-31 00:13)
秋桜さん、おひさしぶりです。
前の書き込みでひかせちゃったかな~と思って・・・
だとしたら、ごめんなさい。
深い意味はなく、私もピアノ大好きなので、
メールででもお話できたらいいな、と思ったんです。
もし、不快な思いをさせたのなら、ごめんなさい。
で、本題ですが・・・
きっとおりこうさんのモンちゃん、
お電話も完璧に使いこなしちゃってくれるんでしょうね、
と言いたいところですが、
はたして犬手で大丈夫なのでしょうか・・・。
by (2005-10-31 03:25)
秋見さん、ありがとうございます。
私も日々悩んでいて、当初考えていたエンディングとは
多少変わってきそうです。
悩みながら書くのも、また楽し、ですよね。
日々勉強なので、がんばります(^^)
凛香さん、お久しぶりです。
そんな、ひいちゃったりなんてしてないですよー。
私はB型で、終始自分のペースなので、
時々リアクションが変だったり、すっぽかしたり
そういうのもあるかな、と思いますが
気にしないでのんびりおつき合い下さいね。
モンちゃんの電話のかけ方。昭和だったら出来なかった、
ある機能が役立つ予定です。
by はなぽん (2005-10-31 06:46)