SSブログ

ボクが選んだボクの人生~13 ややこしくなってきた~ [小説「ボクが選んだボクの人生」]

 「結論は急がないって言ったのは君の方だろう。」
初めて聞いた彼の肉声は、ボクにとって一筋の光明だった。
オナカの中で、ボクは彼に向かって手を合わせた。
「たしかに、困ってないとは言い切れない。一応、家庭があるからね。
でも、先のことは分からない。アイツだって・・・。」
「奥さんがどうかしたの?」
「浮気、してるかも知れないんだ。まだ確信は持てないけど。」
「でも、だからって簡単にはいかないでしょう。お子さんだってまだ小さいんだし・・・・。」

 何だか一気に話がややこしくなってきたぞ。
とにかく、ボクにとっては「諦める」という選択肢以外に道が開けて、
有り難い話であることに違いはないのだが。
「私は、コーちゃんの家族を不幸にするの、イヤだからね。」
おお。彼の名前はコーちゃん、なのか。いや、そんなことに感心している場合ではない。
「コーちゃんの家族を不幸にしない」ということは
とりもなおさずボクがとんでもなく不幸になるということなのだから。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:GBA2005ノベル

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。