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ボクが選んだボクの人生~14 待ってくれるんだね~ [小説「ボクが選んだボクの人生」]

 「とにかく、少し待ってみないか。一週間くらい。いいだろう?」
何だかやけに短い執行猶予つきの判決を言い渡された気分になったが、
今すぐに人生の扉を閉ざされることを思えば、贅沢は言ってられない。
「マキだって、赤ちゃんが欲しくない、ってワケじゃないんだろ?」
おお、ついに母親の名前までも知ることが出来たぞ。
こうやって次第に情報量が増えていくと、不思議に情がわいてくる。
顔は見えないし、名前がどんな漢字なのかも分からないけど、
ボクは本当に心から二人の子どもで居たいんだ。

 「うん、それはそうだよ。赤ちゃん、欲しいよ。産みたいよ。」
少しかすれた彼女の声。泣いているのだろうか。
何だかボクも泣けてきた。ただただ、一緒に居たいと思った。
「よし、待ってみよう。いいアイディアがきっと浮かぶさ。」
力強い彼の声。きっとあのお立ち台の夜も、こんな声でインタビューに答えていたに違いない。
ほの明るい希望の光が、差し込んできたような気がした。


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